ぼんのGW九州紀行 ⑭由布岳 2011.5.4
豊後富士・由布岳。
「なんて美しい山なんだろう…」
数年前、大分道からその姿を目にした時から、深く心に残っていた山である。
こうして山頂に立てる日が来るとは夢にも思わなかったが、こうなる宿命だったのかもしれない。
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5月4日。
登山口にて一夜を明かし、荷物をバックパックに詰め込んだ。
突き抜けるほど晴れた空。 肌には心地良い風。
予定より早い出発。 時計は未だ6時も回っていない。 それほど気持ちが高ぶっていたのだろう。
昨日の雨が嘘のようだ。
素晴らしい一日の始まりを祝福するかのように、朝日は俺に微笑んでくれた。
逸る気持ちを抑えながら、一歩一歩を刻んでいく。
山頂まで2時間はかかるだろうか。
木々の会話が聞こえてくる。 ような気がする。
合野越。 ここからは本格的な登りだ。
ふぅと息をつき、緩んでいた左足の靴紐を結び直した。
振り返れば単独行の男性が一人、同じペースでついてきている。
抜かれまい、と少し急ぐも。
目に飛び込んできた奇跡に、足を止めずにはいられなかった。
それはその男性にとっても同じことである。
「すごいですね…」
雲海も直、消えてしまうだろう。
少しでも高い場所から眺めようと、足早に上を目指した。
ジグザグの登り。
見上げると、山頂部らしき岩場が見える。
立ち止まり、カメラを構える。
単独行の男性にはここで抜かれてしまったが、もうかまわないさ。
もうしばらく、この大地を眺めていたいんだ。
再び歩き始めたのは何分後だったろうか。
登山道には、次第に岩が目立つようになる。
終盤はなかなかきつい登り。 もう少しの辛抱だ。
登りきると、先程の男性が食事をとっていた。
西峰と東峰を分かつこの鞍部は、マタエと呼ばれている。
双耳峰とは誰が名付けたのだろう。 いい形容だ。
マタエから由布岳の火口を覗く。
お鉢巡りも面白いコースだと聞いた。
男性と少し会話しながら休んでいると、登ってこられたご夫婦。
ひと足先に、僅かに標高の高い西峰を目指されるようだ。
少し迷うも、マタエから西峰・東峰をそれぞれ往復することにする。
西峰までは岩場が連続するスリリングなルートだ。
最初の鎖場を慎重に通過する。
前方を見ると、ご夫婦が核心部にさしかかっている。
しかし、ここで立ち往生してしまった。 相当な恐怖感があるのだろう。
追いついて話を聞くと、「怖くて行けない。諦めようか…」 と、思案しておられた。
確かに…まるで剱岳の核心部「カニのヨコバイ」のような難所だ。
いざ、挑戦…
無事、通過できた。 この先も険しい岩場が続いているが、鎖場までは無いようだ。
状況をご夫婦に伝え、先へ。
由布岳西峰・標高1583.3m 一等三角点。
ようやく目指す場所に辿り着いた。
どうやらこの日、一番に由布岳山頂を踏んだのは俺らしい。
ちょっと、嬉しくなった。
火口を挟んで、東峰がその雄姿を現す。
ここまで来てしまえば、湯布院の街でさえも自分だけの箱庭のように思えてくる。
このなかに、いったいどれだけの人間が居るのだろうか。
休んでいると、単独行の男性が登ってこられた。
聞けば東京から来られたという。 しかも、午後からもうひと山行かれるそうだ。
自分など、まだまだヒヨっ子なのだと改めて感じる。
お互い、写真を撮りあった。 今日のこの達成感は、いつにも増して格別だ。
少しして、先のご夫婦も登ってこられた。 無事難所を通過できて、良かった。
慎重にマタエに戻り、東峰へ向かう。
急坂ではあるが、西峰のような危険箇所は無い。
東峰山頂(1582m?)には数人、先行者の姿があった。
西峰は初心者には危険なため、東峰を主ルートとして紹介しているガイドブックが多いようだ。
三角点はないが、しゃれたポールが立っていた。
エコな手作り感に心が和む。
東峰山頂から、先程登った西峰を眺める。
ここから見る山容は、思いのほかマイルドだ。
東に鶴見岳を望む。 ひときわ存在感のある山塊。
一人旅に、どこか空しさを感じることもあったが、
此処に在るということは、ただそれだけで幸せなことなのかもしれない。
だが、せっかくなら楽しいほうがいい。
一人遊びの上手な人になりたいと思った。
自分の心と向き合う余裕を。
決して、ひとりぼっちになりたいわけじゃないけどね。
山頂での感動が大きいほど、いつも下りるのが名残惜しいわけだが…
まだ居たい気持ちを振り切るように、トレイルランニングで一気に駆け下りる。
GWのこの時間帯にもなると、さすがにものすごい数の人とすれ違うが、
登山道は十分広いので苦労することはなかった。
登りの半分足らずの時間で、無事帰還することができた。
先に下山されていた東京の男性にも追いつき、最後に軽く言葉を交わした。
「次、行ってきます。」 「頑張ってくださいね。」
…さて、行こうか。
振り返れば、由布岳はどこまでも優美な姿で俺を見送ってくれた。
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<<参加者>>
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ぼん
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今回の旅で登った、由布岳と鶴見岳、そして祖母山。
これらの山々にまつわる、ステキな民話を紹介します。 面白いのでぜひ一読を。
リンクはこちら(リンクフリーサイト)→ 鶴見岳と由布岳 別府市の伝説
今回の登山ルートはこちら。
ううぅ~~~、
ぼんぼん、ぼぼーーーーん!!!!! (ガマンできませんでした)
2011 年 7 月 5 日
あんた誰や?
と思ったけど、結局ぼんだったのか・・・
と思わせておいて、どこかの誰かが「なーんだやっぱりぼんか」と思わせるために最後の一行入れたのか?
最後の一行…
おちゃめキャラ、でちゃった☆
祖母山で一緒になった、まさやんです。
由布岳の写真みました(^^)
黄砂の影響はなかったですか?
西峰は、結構、怖いですよね。
私は、祖母山の天狗よりも足場は怖いような気がします。
ちなみに私たちは同じ日に宮崎県の大崩山に行きました。
ゴールデンウィークという事もあってたくさんの人が来てましたよ。
まさやんさん、コメントありがとうございます!
あれから2ヶ月も経つのに、読んでいただいて感激です!
黄砂は多少ありましたけど、祖母山の時に比べたらだいぶクリアでしたよ♪
西峰の岩場はけっこう怖かったですが、今秋に行く剱岳のいい練習になったと思います。
頑張ってお鉢巡りしとけばよかったかなぁ~。
大崩山は、今までで一番ハードだったと話しておられましたよね。
自分も機会を見つけて、いつか挑戦したいです!