新シリーズ アクシデント対策① 迷子
快晴の吾妻山。
ここでリーダーとしてミスがあったので報告します。
吾妻山山頂から大膳原キャンプ場に戻る際、一名だけ尾根から大膳原へ折れる分岐を素通りし、まっすぐ南下してしまうという事態が発生しました。
最後尾から見ていたリーダー(隊長)がまっすぐ進んだ者に気付き、最後尾に一緒にいたロトがはぐれた者を呼び戻しに走りました。
(本来は赤線を下るところを黄色破線に入る)
ロトが追いつき、分岐まで引き返したので無事に全員キャンプ場へ下ることが出来ました。
とりわけ大事に至った訳でもなく、その場は笑い話で済みました。
本人もうっかり通り過ぎてしまっただけということで、まあ誰にでも起こりうることです。
運転してたらうっかり通り過ぎていた、なんてことは日常でもよくあること。
しかし山中ではヤバイ事態になる可能性もあります。
あのまま直進したことに気付かなかったら、キャンプ場ではぐれた事を知り、捜索しなければなりませんでした。
(ちなみに携帯はdocomo繋がる、SB繋がらない、au不明)
本人が途中で気付いて引き返していたかも知れませんが、もしガス(濃霧)っていたら立派な遭難になっていたかもしれません。
いずれにしてもはぐれた者が出てしまった事が重大です。
リーダーのミスです。申し訳ありません。
はぐれた人も今後は気をつけましょう。
で、ここからが本題です。
新しい仲間も増え、ビギナーの人も多く参加してもらっているので安全登山のためにもアクシデント対策を考えてみようと思います。
第一回目は
迷子
~パーティーからはぐれし者を防ぐ~
吾妻山での事例をもとに検証していきます。
★当日の状況
キャンプ場でザックを置き、最低限の持ち物だけ持って山頂まで往復をすることにした。
空は快晴、崩れる心配は無かった。往復1時間もかからない行程なので問題ないと判断。
登りは各自のペースで山頂を目指す。リーダーは最後尾で幼隊長を抱え、スローペースだったので先頭集団の状況は不明。
最初の分岐は周囲は木々に囲まれ見通しは悪いが道標があり、山頂へのルートは見れば分かるので迷うことはないはず。
尾根に出ると2つ目の分岐あり。山頂は見えているので当然迷うことはない。
全員山頂到着後、団体さんが登ってきたので入れ替わるように下山開始。
来た道を下るだけなので各自のペースで歩いており、隊列はバラけていた。
ほかにも下山する登山者あり。尾根をまっすぐ下っていく人もいた。
最後尾の隊長、ロトは幼隊長を連れてスローペースで歩いていた。最後尾からは尾根が良く見えていた。
たまたま尾根をまっすぐ進むメンバーらしき人物を見つける。メンバーだという確信はなかったがロトに回収に走ってもらった。
追いつくとやはりメンバーだった。
無事に呼び戻すことができ、分岐まで引き返した後、キャンプ場に下山。
ここから考えられる原因は・・
★原因
◆リーダーのミス
・当日全員でルート確認をしなかった。
・特に隊列順を決めなかった。
・幼隊長に注意が集中し、隊列をよく見ていなかった。
・事前にHPで予告していたのでルートは全員頭に入っていると思っていた。
・視界がよく、迷う要素はないと思っていた。
◆分岐を見逃した原因として考えられるもの
・来た道を覚えておかなかった。
・足元ばかりに気を取られ、道標を見落とした。
◆集団(パーティー)で登る場合特有の原因
・先頭以降はとにかく前の人に付いていくだけになりがち。これではほとんど周囲を見ておらず、分岐にさえ気付かない場合も。
結果、登ってきた道すら覚えていないことにもありえる。
・登山者が多い場合、別の人に付いていってしまうこともある。
登山の服装はみんな似たり寄ったりで、後姿だけでは誰だか分からないことは多い。
また、温度調節のためウェアは着たり脱いだりするので登山開始時の服装だけを覚えていても人物を特定するのは難しい。
◆その他の原因
キャンプ場から山頂が見え、往復1時間もかからない場所での道間違い。
いつものようにもっと長い距離での登山なら、
「先頭のペースメーカーが隊をばらけさせないようスピードを調整して歩き、バラけても分岐では後続を待つ」
ということを守り、はぐれる者は出なかったと思われます。
今回はむしろ簡単に往復できる距離だからこそ起こってしまった事態。
細かなミスや思い込みが重なり、こういう事態が発生してしまいました。
リーダーとして大変反省しております。
という訳ではぐれし者を出さないために思いつく範囲で対策を考えてみました。
★対策
◆リーダー
・各個人のレベルがバラバラなので「間違えるわけはない」という先入観は捨てる。
・当日全員でルート確認を行う。
・距離に関わらず、ある程度隊列を決める。
・ビギナーはリーター、サブリーダーの近くで歩く。
◆参加者
・登る山のルートなど事前に自分で調べる。(webやガイドブックなど)
・地図を用意する。 (webで調べて印刷、ガイドブック持参)
・分岐があれば立ち止まる。
・前後の人と声を掛け合う。
◆とにかく周囲をよく見ながら歩きましょう。
最も重要なのは連れてってもらうという意識をなくすことです。
最初は実質連れてってもらうことになると思いますが、どこに行くのか知りましぇーんと言うのは絶対にダメです。
出来る範囲でよいので事前に登山をイメージしておきましょう。
登山中は意識的に「ここの分岐は右だな。この目印を左だな。」などと歩いた道を頭に入れておきましょう。
帰ってから地図を広げて歩いた道を確認することも大事です。
地図を見ることに慣れ、次の登山に役立ちます。
参加申込みの際にも確認してもらったと思いますが、ガイドはいません。
基本的に「自力登山」です。
万が一はぐれたって一人で下山してやるぞという気持ちで歩いてください。
かと言ってほったらかしは絶対ありませんのでご安心を。要は心構えです。
◆参加者が多く、隊列が長いと、先頭や最後尾だけでは実際問題として全体に目が行き届きません。
経験者はビギナーに注意を払ってあげるよう協力をお願いします。
今後もお互い協力して安全な登山を心がけましょう。
ネタも不足気味なのでこのシリーズ、しばらく続けていきます。
次回は アクシデント対策②道迷い
~ラビリンスからの脱出~
をお送りする予定です。
※このシリーズをまとめた新ページを制作しようと計画中です。
・これは違うんでないの?
・こんなのもあるんでないの?
などあればコメントを寄せてください。
ビギナーの方の意見も是非!!
それらを取り入れ、再編集して新ページの完成度を上げたいと思いますのでよろしくお願いします。
2013 年 5 月 15 日
まめ登山部はツアー登山ではなく自力登山を標榜していますから、難易度の低い山であっても一人一人が地図を持参するという方針には賛成です。
歩いている方角や登山道の地形(尾根なのか沢なのか)を地図と照らし合わせながら歩くことで道迷いを防ぐことができますし、初心者であっても地図で現在位置を確認する(経験者に現在位置を聞く)だけでも、読図の実地勉強になると思います。
早速コメントありがとう。