八雲要害山(熊野城跡)その2 2010.11.12
隊長からのミッションをこなしていこう!
引き続き八雲要害山だ!
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・
「登山口探しが要害地獄の始まりさ。」と誰かが言った。
そんなわけないだろと答えられたころは幸せだった。
「じゃあ今は幸せじゃないのかい?」
そう聞かれたら俺はこう答えるだろう。
「M的な幸せを感じることはあるさ。」と。
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俺はようやく辿り着いた登山口に取りついた。
「入口にはそれとわかる道標があるはずよ、ぼうや。」
先刻出会った老婦人が言っていた入口の道標は見当たらなかった。
どうやら時間という名の大きな流れが持ち去ってしまったようだ。
谷間に残るかつての水田も自然に還りつつある。
俺はそんな時の非情さに少し毒づきながら慎重に歩を進めていく。
・
「なんてことだ・・・」
嘆息が口から洩れる。 まったくひどい有様だ。
これから先に待ちうけているものの一端を見た気がしたが、
それはそうなった時のこと。
今から心配しても仕方がない。俺は先を急ぐ。
竹藪を抜けると、尾根道にたどりついた。
さっきまでの道が場末のバーだとしたら、ここは山手の高級クラブだ。
もっとも俺は、そんな山手になど行ったこともないが。
尾根道は高圧線の鉄塔までで、そこからは一旦鞍部へと 下らねばならないようだ。
ふと頭の中にいらぬ思考がふってわく。
鞍部、あんぶ、暗部。
俺は賭事はからきしだが、いやな予感というやつに限って良く当たる。
道の真ん中からこうも堂々と突き出していると、逆に潔いのかもしれないなどと思うのは、
そう思いたいだけの単なる強がりでしかない。
なぜなら実際に俺の口を衝いて出た言葉は「糞っ」だったからだ。
そのあとも品のないボキャブラリの披露を続けたが、
無論紳士淑女の皆様に聞かせられるようなものではないので割愛する。
・
鞍部に至ると、中国電力の管理道であることを示す杭が立っている。
しばらくはこいつに従い進んでいくことにする。
荒れた道だがどうということはない。竹が覆いかぶさっていないだけいくらかましだ。
それよりもこの展望のきかない閉塞感のほうが問題だ。
薄暗い谷間を一人で歩き続けるのは気が滅入る。
それでも歩みを止めないのは
核心部に近づいてきているという期待感が俺の背中を押してくれているからだ。
もう少し。
あともう少しなのだ。
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やがて要害山直下の鞍部に至った。
今までとは違う陽の光に満ちた光景に、柄にもなく頬が緩んでしまう。
右手には頂上へ至る道、左手には秋らしい小路。
何かに 誘われるように左へ進んで振り返ると、目指す頂きが間近に見えた。
俺は自分に言い聞かせるようにもと来た道をたどった。
目線の先にあるのは今日もっとも困難になるであろう道である。
間髪入れずに進めば良かったのだが、
躊躇し寄り道してしまう俺はハードボイルドにはなりきれない、ハーフボイルドだ。
自分でいってりゃあ世話ないが、
ひとまず甘ちゃんじみた考えは置いておいて、登りだす。
ここを落とさなければ帰れない。
少しの間、ましな道が続いた。
ほんの少しの間だけだ。
奴はすぐにその本性を現し俺に牙をむいてきた。
踏み跡など確認のしようもないほど繁茂した笹藪に俺はあっけをとられた。
しかし進まねばならぬ。
目指す方向はわかっている。ただ高みを目指せばいい。
竹の隙間を縫うように、トラバースを幾度か繰り返し高度を上げていく。
と、やがて登りが途切れ平坦地へたどりついた。
容赦なく林立する竹の中に、樹齢を重ねた巨木も 交じる山頂は
やはり笹藪の中に埋もれていた。
そして俺は目的のものを探した。
必ず、必ずここのどこかにあるはずだ。
笹藪をかき分け進むと、
見つけた。
まちがいない。ここが山頂だ。
俺はこいつを写真におさめると、ふうとため息をついた。
難しい依頼だったがなんとか遂行することができた。
これでボスのメンツも保たれるだろう。
そして俺も、明日の日の出を無事迎えることができそうだ。
・
そして今日も電話のベルが鳴る。
ボスからの新しい依頼だ。
受けなきゃいいと思うこともあるが、
どうやらもうこの世界から抜け出せないらしい。
片足どころか腰までつかっているようだ。
そして俺は今日も、受話器を握る。
・
・
出演
ハーフボイルドな男(ロト:最近ヤブこぎばっか!)
2010 年 11 月 19 日
なかなかやるじゃないか
褒美にいいこと教えてやろう。
玉造にある要害山に行ってみな
宝物があるらしいぜ。
あぁ~早呑みのロトか…
噂は聞いた事あるぜ…
奴は危険だ…真冬でもハーフパンツで現れるんだぜ…ヤバイだろ?
無名なピークを狩っては、白い物体を売り捌いてる組織のトーフボイルドなボスから高額の報酬を獲てるらしい…
トーフボイルドだって?
俺は湯豆腐じゃないってんだ!!
山道歩くときは背中に気をつけな。
今日の夕飯、湯豆腐にしよ。
マーボーと言ったら丸美屋♪
その白いナゾの物体・・・
ボスジュニアもいずれその道に手を染めていってしまうのかぃ?
高齢化社会の世の健康を守るのだよっ! マーボー~
情報によると、その白いナゾの物体は某大手スーパーで手に入るらしい。
一体この先どこまで販路が広がっていくのやら・・・よく注意して買い物をするようにしなきゃねぇ。
・・・。