ツアー&イベント レポート


高山病対策

今日も当直です

みなさん、元気ですか。
僕は今日も一日、日当直です。
が、すこし暇なので、去年の登山シーズンも問題となり涙を飲んだ方もいた高山病、簡単にまとめてみました。
文字数制限が有るため、連投となります。


昨今、出典が問題となり下手をすると記者会見になりかねませんので、出典を明記してみました。

 

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1.序章
急性高山病は2400m以上の高度で起こり、3500m以上ではほとんどの人に起こりうる病態です。
(Ward MP, et al: High Altitude Medicine and Physiology(3rd。 Ed).Oxfbrd University Press,pp.215-231,2000)
症状としては頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、ふらつきなどがありますが、個人差がとても多いです。
中には小学生から槍ヶ岳などに登っていたが、2350mmで死亡した16歳の例などもあり、注意が必要です。
(原田智紀ら、Japanese Journal of Mountain Medicine Vol.33:139-152,2013)

 

 

2.高山病 High Altitude Illness
軽症な山酔、重症な高地脳浮腫、高地肺水腫とあります。
山酔は食欲不振・吐き気・嘔吐・睡眠障害などです。高地順応します。
高地脳浮腫は山酔の重症型です。稀です。上記に加え、運動失調・意識障害がおきます。
これは中々あぶなく、発症してから1~2日で死ぬこともありますので、すぐに下山としましょう。
頭がフラフラしているので自分でよくわかってない時があります。周囲が注意しましょう。
高地肺水腫も稀ですが、これは息が苦しくなります。ものすごく息苦しいです。


3.じゃぁ、発症したらどうすればよいか。
肺が低酸素になっているため、酸素があれば酸素を吸いましょう。
体を休めるのが良いですが、睡眠してしまうと呼吸抑制がかかるので
目を覚ましたまま、じっとしてるのが良いです。
寝れないからって睡眠薬を飲むと呼吸抑制で苦しくなるので勧めません。
疲労・低体温・脱水も原因の一つなので、
じっと休み、体をあたためて、水分をきちんと補るとよいです。

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4.予防は?また、余談。
 
まずは、ゆっくり高度を上げること。体調を整えること。

何度も繰り返す人には、炭酸脱水素酵素阻害薬のアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)が使われます。
使い方は前日から1回125mg(半錠)を1日2回。山酔がおきたら1回250mgに増量。
ですが、これは利尿薬;尿を出す薬なので脱水には注意です。海外ではあまり使われません。
医者の処方箋がいります。ちなみに適応外仕様ですので、かかりつけの先生と相談してくださいね!
(病名をつけなきゃいけないんです)
(貫田宗男:高所トレッキング・登山における中高 年登山者の諸問題,登山医学,29:24-28,2009.

個人的には漢方の五苓散が効きそうです。こちらは薬局で簡単に変えますし、吐き気・下痢にも効きます。
二日酔いにも効くので買っていて損はありません。
酒を飲む前に服用しておくと、次の日が楽です。また、偏頭痛の人にも効きます。
登山に関して言えば、五苓散の他に、柴苓湯や真武湯といったオプションもあります。
が、普段から使えるという意味では五苓散おすすめです。二日酔い・嘔吐・下痢。
(2010年ISOM・Japan 五苓散シンポジウム)
 
また、頭痛にはロキソニン錠が有効です。今はウェルネスなどでも処方箋なしで購入することができます。
まぁ、いつも使ってる痛み止めで良いです。
吐き気に関しては処方箋ではプリンペラン。その他では、市販の吐き気止めで対処療法です。
 
息が苦しくなる肺水腫という病態にカルシウム拮抗薬を使うこともありますが、日本国内の山ではそこまで必要ではないかもしれません。
手軽な方法としては伝統的に「風船膨らまし法」というのがあります。
これは10秒ごとに風船を膨らましたり、縮ませたり、、と3分間ほど行います。
すると、血中に溶けている酸素の量が増え、楽になります(88.8±5.6% vs 80.9±6.8%)
終わって5分後も数字は高いままのようで、これは面白そうなので個人的に今年の遠征に持って行って
苦しがっている人に風船を膨らませてみようかと思っています。
(手塚晶人ら、
伝統的風船膨らまし法による高山病防止のメカニズムの検討=富士山測候所利用研究 Japanese Joumal of Mountain Medicine Vol.29:238-242,2009)

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面白い研究では鍼灸が高山病に有効というお話もあります。
技術的・衛生的に難しい側面もありますが、まめ登山部に鍼灸師が加入したら試しても良いかもしれませんね。(いたっけ?)
(細沼郁夫ら、富士山頂短期滞在時の急性高山病に対する鍼灸施術の効用に関する研究
、Japanese Joumal of Mountain Medicine Vol.30:169-177,2010)

他にも睡眠時無呼吸症候群の人は夜間に低酸素になるのでマウスピースを嵌めると良いとの話もあります。
(Izumi Noguchi,Hypoxemia at High Altitude and it s New Managements ,Japanese Joumal ofMountain Medicine Vol.32:50-56,2012)

 

 


5.本当の余談
・富士山山頂では苦味・酸味・塩味・甘味が感度低下しているらしい。2400mではあまり変化がない。
 (笹尾真美ら、高度が味覚感度へ及ぼす影響 Japanese Joumal of Mountain Medicine Vol.31:127-131,2011)



ではでは、みなさん。安全な登山を。
高山病にならない人も、こむら返り対策に芍薬甘草湯、痛み止め、この二つは持参することをお勧めします。

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