ツアー&イベント レポート


2013.07.13@北岳

ズノーの山は東に日は西に

2013.07.13~14@北岳 byズノー

カレンダーでは海の日となってはいるが、7月の三連休は山登りのためにある!今年は後立山の唐松岳で高山植物の撮影を楽しむのさ。・・・と思っていたら、日本海の前線の動向が不穏である。こりゃ、北陸地方は雨だな。さて、違う行き先を見繕わなくてはいけなくなったわけだが、どこに行こうか。八ヶ岳は春に登ったから、今回は南アに行こうか。そうだ、自分は秋のツアーには仕事で参加できないので、この機会に北岳に登ってしまおう。

01

12日、登山素人の後輩を一人連れて、レンタカーで夜の中央自動車道を西へ。日付が変わって13日の1時には芦安に到着。しかし、駐車場に空きが無いぞ。探し回った挙句、未舗装の第四駐車場にスペースを発見、車を突っ込む。広河原行きの始発のバスは5時半なので、目覚ましを4時半にセットし、おやすみなさい。ところが、駐車スペースを探して後から後から車がやって来るため、砂利の駐車場を車が走り回る音で何度も目を覚ます。

4時、周囲では支度をして駐車場からバス停に向かう人影がちらほら。バスの順番待ちで出遅れたくないので、後輩を起こして急いで装備を整えてバス停に向かう・・・が、既に順番待ちの長蛇の列が形成されている。さすが三連休。山小屋での就寝スペースを考えると早くも不安だ。始発は5時半だが、5時前に出発する乗り合いタクシーもある。(運転手込みで10人乗り。広河原まで1100円)運転手さんに話を聞くと、芦安に車を停めておくスペースが無いので、予定より早く出発して夜叉陣峠のゲート前で車を待機させているらしい。5時10分、夜叉神峠のゲートが開き、広河原へ向かって出発。南アルプス林道をはなかなかの悪路、かつ広河原まで1時間も乗っていくので、乗り物酔いに弱い人は酔い止めが必須である。6時5分、広河原に到着。

広河原から北岳方面を見ると、山頂を望むことが出来た。よっしゃ、オラなんだかわくわくしてきたぞ。

02

天気は曇り。私は写真映えのする青空が好きだが、曇天のほうが暑くなくて体力的には楽である。雪解け水が流れる大樺沢に沿って標高を上げていく。暑かった下界に比べて、なんて涼しくて快適。ところが、歩き出して少し経つと、山頂にはガスがかかりはじめる。頂上での展望は諦めざるをえないか・・・。

03

8時10分、二俣の分岐に到着。ここまでくると、迫力のあるバットレスの岩壁が目前である。

04

八本歯のコルへ向かって雪渓の残る左俣へ。後から思えば、予定を変更して右俣へ行くべきだった・・・。今年は梅雨の降水量が少ないため、雪解けが進んでおらず雪渓の残雪が豊富だったらしい。勾配の緩い雪渓下部は問題なかったのだが、傾斜がきつくなってくると八本歯沢を軽視してアイゼンを持ってこなかった自分の甘さを痛感することになった。ストックの石突きのカバーを外し、金属の突端を雪に突き刺して、キックステップで登る。体力を著しく消耗するが、急傾斜の雪渓での休憩は許されない。時折、雪渓上部から「ラーク」の叫び声が上がり、人の頭大の落石が雪渓を転がり落ちていく。引き返そうかと思った頃には、既に下降が困難なほど傾斜が急になっていた。自分独りならまだしも、今回は後輩の命を預かっている。ひとまず直登ルートを外れ、雪が無い小尾根まで移動することに。休憩しながらルートを観察し、小尾根を藪漕ぎで登れるところまで登って、小尾根から八本歯のコルへ繋がる尾根まで雪渓をトラバースすることに決定。これなら最小限の雪渓歩きで済む。無事に八本歯のコルへ繋がる尾根にたどり着いてからは、しばらく放心状態でへたり込んでしまった。

05

八本歯のコルに向かって高度を上げていくが、木製の梯子が連続する急登に苦しむ。体力もそうだが、雪渓で使った精神面での疲労が激しい。何度も気合を入れなおす。八本歯のコルの到着したのは、コースタイムよりも30分遅れの11時だった。しかし、コルでの長時間の休憩は許されなかった。ガスが濃くなり、雨が降り出すとともに、強風が吹き始めたからである。急いで上着と雨具を着込み、休憩を切り上げて出発する。予定では北岳の山頂を経て北岳山荘に向かうつもりだったが、山頂を諦めてトラバース道を山荘に向かうことに。ガスで視界は10メートル。トラバース道の分岐がなかなかあらわれず、もしかして通り過ぎたのではと不安になり始めた頃、やっと分岐の案内板が見つかる。ここからは下りになるので、一刻も早く山荘に着きたい思いで歩みを速める。そんな我々を北岳の南斜面に咲き乱れる高山植物のお花畑が迎えてくれた。疲れてカメラを取り出す元気がなかったので写真は残っていないが、心洗われる光景だった。トラバース道が終わって再び稜線に出ると、強風が勢いを増した。吹き付ける雨粒で頬が痛い。ガスの切れ間に赤い屋根を発見、北岳山荘に到着したのは11時55分であった。

宿泊手続きを済ませる。「混雑のため、就寝スペースは二人で布団一枚となりますが、ご了承下さい」三連休である。一畳に二人は想定の範囲内さ。それにしても腹が減ったな。暖かい食べ物が欲しいので、昼食のメニューを山荘のスタッフに聞いてみる。「当山荘では、カップラーメンやパンの提供でしたらございます」だめだこりゃ。自炊室の場所を教えてもらい、ガスバーナーを取り出し、紅茶を淹れてパスタを茹でる。あー幸せ。食後、外に出てみると雨が止んでいて富士山を望むことが出来た。

夕刻になると再び雨が降り出した。仕方ないね。夕食(白身魚の煮物と肉じゃが)を食べ、明日の朝焼けに期待して、おやすみなさい。

・・・夜中の24時に目が覚める。一度目を覚ましてしまうと、鼾と歯軋りのオーケストラを聴きながら再び眠るのは困難だ。やはり、夕食の前に歯を食いしばってでも眠気を我慢して仮眠をとるべきではなかった。おまけに就寝スペースが狭いので寝返りが打てず苦しい。こんなときは、そう、枕を胸の下に敷いてうつ伏せ寝だ。楽な体勢でうつらうつらしながら時計の針が進むのを待つ。

4時。窓の外を見る。よし!防寒着を着込み、カメラと一脚を持って外へ。日の出の予想時刻は4時40分。ちなみに、宿泊客が多いため、食事は4交代となっており、自分は4時半からのグループに入っている。刻々と赤くなる空。朝飯なんて食ってられるか。後輩に朝食はお前だけで食べてくるようにと告げ、富士山と北岳に向かってシャッターを切り続ける。

06

07

08

5時15分、北岳に向かって山荘を出発。頂上に着くまでなんとか天候が持ってくれることを祈りながら登る。相変わらず稜線は風が強い。強風に煽られて体を持っていかれそうになる。平均風速で10メートルはあっただろうか。岩に手を突きながら慎重に歩みを進める。

09

後ろを振り返ると間ノ岳が格好いい。

10

6時前、ガスに巻かれる。あゝ北岳よ、駄目だったか。山頂に到着したのは6時15分。後輩にシャッターを押してもらい、記念撮影。何も見えないが。

11

休憩もそこそこに、北岳肩ノ小屋に向かって下る。時折、小雨の中に白い破片が混じって見える。あれは雪だったのか、それとも目の錯覚だったのか。肩ノ小屋には6時50分に到着。疲れていないので、休憩せずにさらに下ることに。快調に下っていたら、小太郎尾根の分岐の手前で右足首に違和感を覚える。分岐でスパッツを脱いで見ると、右の靴紐が解けていた。危ない危ない。靴紐を締めなおして、白根御池小屋に向かって草スベリを下る。富士山よ、とうとうお前も見納めか。8月末に穂高に行くから、そのときにまたな。

12

白根御池小屋には8時5分に到着。ソフトクリームを買い、湯を沸かしてコーヒーを淹れる。旨い。テラスで同じテーブルにいた方とおしゃべり。北岳肩ノ小屋に泊まったというので、状況を聞いてみた。なんでも、北岳山荘へ向かう予定だったのが、雨に降られて肩ノ小屋でストップを食らった登山客がかなりいたらしく、就寝スペースは一畳に3人で、頭足頭足と交互に並んで寝たそうだ。

13

白根御池小屋を8時30分に出発、登山口の広河原には9時30分に到着した。次のバスは10時20分だが、ちょうど乗り合いタクシーが客待ちしていたので、乗せてもらった。

9月の北岳ツアーに参加される方へ。北岳山荘で相部屋だった方から聞いた話によると、昨年の紅葉期は北アルプスに人が流れたため、秋の三連休でも北岳は比較的空いていたそうです。なお、北岳山荘は昼食のメニューが乏しいので、食材を担いで登ることをお勧めします。

« »

Copyright © 2017 まめ登山部All rights reserved.
Back to Top ↑