オオヨロギレポート 2018.06
あの出来事から十分すぎる刻が過ぎた今、私はようやくキーボードに向かう気になった。
これまでの間、はたしてこれを記事にすべきかどうか逡巡していたが、ほんの数週間前、驚くべき邂逅を果たした私は、ついにこれを世間に知らしめる決意をした。
今から語る初夏の大万木での出来事はにわかに信じることはできないと思う。しかしそうであったとしても、私にはこれを世間に公表し、少しでも多くの人にその存在を伝える義務がある。それがつまらぬ贖罪の意味を持つものだとしてもだ。
けれどあなたたちには、そんな私のつまらぬ義務につきあう理由はない。世の中には知らない方がいいことなどいくらでも転がっている。ひょっとすると、これを見ることによって、何か説明のしにくい事象があなたの身の回りに起こるかもしれない。杞憂であればそれはそれでいい。
しかし突き放すようで申し訳ないが、もしそんなことになったとしても、私は責任を持てない。彼らの思考回路は到底理解不能だからだ。だから私はあなたたちに警告する。ここでならまだ引き返せる。覚悟なき者はこのページを今すぐ閉じることをおすすめする。いいな、警告はした、警告はしたからな。
少しばかり興奮してしまったようだ。どうか許してほしい。私は、説明のしにくい事象の只中にある。あの日以来、常にどこかしらか、時と場所を選ばず視線を感じている。監視されているといったほうがいいかもしれない。
しかし、それ以上のことは何も起こっていない。ただ見られていると感じるのだ。それは私などいつでもどうとでもできるという彼らの余裕であり、残酷さでもある。
前置きが長くなりすぎたようだ。私にどれだけの時間が残されているのか定かではない今、あの出来事をここに記す。
今年も梅雨入りした中国地方。
雨でも登ってもいいかなと思わせる唯一の山
大万木山にやってきた。
雨が降ってもいいやと思ったが
なんともとっても良い天気!
そして自然たっぷり大万木山では
駐車場にすらモリアオガエルの卵塊がある。
今回集まったのは総勢7人。
さっそく滝見コースからルートイン!!
まずはウォーミングアップも兼ねてゆっくりと沢筋を進む。
最初の目的地はコース名の由来でもある権現滝だ。
権現滝と書かれた分岐から
一旦登山道を離れ沢に向けて降りていく。
するとすぐに権現滝が見えてきた。
みんな思い思いに滝を楽しむ。
初参加のヤップも
両手に華でご満悦だ!!ウラヤマシイゾ
滝を堪能したので山頂を目指し再び歩く。
立派なアスファルト舗装の大万木山林道を越え
一行は再び深いブナの森に突入する。
大万木山はその名の由来を
迷うとか彷徨うといった、
あまり体験したくない言葉から持つほどの
鬱蒼とした広大なブナ林を抱えている。
中でも通称タコブナと呼ばれる大樹は
登山者の心を掴んで離さない魅力を放っている。
このあとの目的地はもちろんタコブナだ。
展望のある祠を越え
梅雨とは思えない気持ちのいい晴れの中
青々しい森を歩くのはとても気持ちがいい。
やがて本日のメインエベント、
タコブナさんとの邂逅がやってきた。
大きな幹からいくつもの枝を伸ばすその様は
まさに広大な森という海をたゆたう大ダコ。
はあすげえなあという感嘆の声が上がる中、
ヤップが不思議そうな声を上げた。
ヤ「なんか、あそこに、なにか…見えませんか?」
ユ「え?なにがどこにいるって?」
ヤ「ほら、あそこの枝の間に、なにか赤いものが…」
も「赤いなにかって…まさか茹でガニかしら!?」
ヤ「いや甲殻類ではなくて、もっとヌラヌラとした…」
そう言われて一同が目を凝らすと、
全「タコ!?!?!?!?!?」
ヤ「きっとタコ星人ですよ!
捕まえて換金して焼肉行きましょうよ!!」
言うが早いかヤップは猛然とダッシュし距離を詰めた。
タ「フハハ、ソンナ簡単ニ捕マエラルモノカ!」
タコ星人は余裕のヌラリでヤップをかわす。
ヤ「なにおう!!目にものを見せてやる!」
タ「デキルモノナラヤッテミロッテンダ。」
逃げるタコ星人を追って登山道を駆け出すヤップ。
一体何が起こったのかよくわからない一同であったが、
ひとまずヤップの後を追うことにした。
この後起こることなど微塵も想像できないままに…。
つづく
☆★参加者★☆
ヤップ
ユウジメン
もっち
サル
ほっしー
ひとみさん
ロト
2019 年 3 月 28 日