大崩山 2013.4.27-28
九州の山にはいろいろ登ったけど、魅力的な山が本当に多い。
2年前にその存在を知った大崩山(おおくえやま・1643m)も、
その知名度こそ九重や阿蘇などの百名山にはゆずるものの、
「九州最後の秘境」といわれる深山幽谷の名山です。
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その山姿は荒々しく、「大崩」の名の通り、一般登山者を容易に寄せ付けない厳しさを持っています。
ゆえに、自分には厳しいだろう…と、ずっと避けていた山でもありました。
そんな大崩山に行ってきた。
・・・ただただ、すごかった。 こんなに素晴らしい山があったとは!
この試練のような山に登ろうと決意したのは冬のこと。
クライマー・山野井泰史さんの講演会で感銘を受けたメッセージがきっかけでした。
「みんなが槍に行くから自分も行くのではなく、雑誌のマネをするのでもなく、自分の本当に登りたい山に行く。」
「俺はこの山に本当に登りたいのか? 登る前に、そう自分自身に問いかける。」
「そうやって山に登るほうがいい。そのほうが、山登りをずっと楽しめると思う。」
いま、本当に登りたい山かぁ。 そうだなぁ…大崩。
まず最初に思い浮かべたのが、この山でした。
まずはいろんなサイトを見て調べまくる。
すると、
ロープ、梯子の連続。(!)
行動時間、10時間。(!!)
道迷い遭難多発。(!!!) …これにはさすがにビビった。
準備期間の2ヵ月を経て、迎えたGW前半3連休。
ソロではさすがに不安なので、少人数限定で仲間を募りました。
そうやって、ここに集結した6名の仲間たち。
一番体力不安なリーダー・ぼん。
この山行を心待ちに、一段と気合入ってるピンク姉さん・みーこ。
剱も穂高も経験し、岩場はスイスイのみっしゃん。
実はクライミングも少しかじってた期待のmiki-T(以降ミキティ)。
正真正銘のバリバリマウンテンガール・きよちゃん。
前々から「大崩行きたいよね~」とちょくちょくプレッシャーかけてきてた山ガール・プロ。
計画書を作り、地形図を熟読し、各自トレーニングを積み、装備を整え…
いよいよその日はやってきた。
深夜山陰を出発し、宮島SAでミキティをピックアップ。
途中渋滞に巻き込まれたりして、現地に到着したのは15時。
…うーん、思ったより時間かかってしまったなぁ。
あまり余裕はありませんが、まずは祝子川温泉・美人の湯に立ち寄って情報収集します。
ここは温泉でありながら登山案内までされている、ありがたい施設なのです。
支配人さん、いろいろと詳しく教えて頂きありがとうございました。
さぁ、急いで登山準備を整えましょう。
天気は晴れ。これからどんな景色が待っているのかな!?
登山届に記入し、気合いも十分です。
16:20 登山開始!
…そして、開始3秒で進む方向を間違えるリーダーぼんw
すかさずプロの冷たいツッコミ。。 うぅ、先が思いやられるぞ~(- -;)
初日は宿泊先の大崩山荘まで、約30分の道程です。
噂通り、道標の類も少ない。皆で確認しあいながら慎重に・・・。
さっそく現れたハシゴ! 一人ずつゆっくり通過します。
しばらく行くと、夕陽に照らされ輝く満開のツツジが迎えてくれました。
これはミツバツツジかな?
16:57 無事に大崩山荘に到着しました。 無人の避難小屋ですが、GWとあってさすがに混雑。
すでに1階が埋まっていましたが、2階に5人分の寝る場所は確保できました。
私ぼんはテン泊です。
さあ、明るいうちに山ゴハンだ! みんな美味しそうなメニューを用意してきてます。
俺ももうちょっと欲張ればよかったな・・・(笑)
明日は10時間の長丁場です。
備えて寝るのも登山のうち。 おやすみなさい。。。zzz
(しかしながら、諸事情あって小屋組には寝苦しい夜になってしまったようです・・・)
山の朝は早い。 4時には起床し、みんなで朝食。
まずはテントに不要な荷物をデポします。 少しでも身軽にして向かわねば。
5:00 予定通りの時間に行動開始。
まだ薄暗いのでテープも見えず道も分かりにくい・・・ より慎重にルートを探します。
5:32 明るくなったころ、湧塚尾根分岐到着。
目の前にドドーーーンと、天を突くような岩峰!
あの尖って見える大岩が小積ダキ(こづみだき)。 後であの上にも立てるんだな… すげぇ。
少し徒渉ルート選択に悩みましたが、祝子川を無事渡りきり、原生林の中へ入っていきます。
でっかい岩が棒切れで支えてありました。
さっそく現れたアルミ梯子。
身構えるきよちゃん。 大丈夫だよ落ちないから・・・ たぶん
苔むした森の中の急登が続きます。 雨上がりも綺麗なんだろうなぁ。
長いロープ場を越えていくと・・・
7:21 大崩を代表する大展望台、袖ダキ(そでだき)に到着です。 目の前には…
っどどどーーーーーん!!! なんじゃこりゃ!!!
小積ダキの大岩壁。下から見るのとは全く違う姿をしています。
ネットでよく見てた、下湧塚(しもわくづか)の尖峰。
実際に見ると超カッコイイです。
奥にチョコンと坊主岩が見えています。 帰りはあの尾根を下山するわけですな。
いや~もう、見るもの全て、写真には映らない美しさがあるから!
しばしの間、思い思いに景色を堪能します。
背景で遊んどるミキティ。 コラコラ。
下湧塚(しもわくづか)をバックに記念撮影!
この方は、、、コッチのほうがいいみたいですけどねぇ(笑)
岩のほとりには、可愛らしいアケボノツツジも咲いていました。
最高の時季に来れたなぁ。 しゃーわせだー。
名残は惜しいですが、先に進まねば。
袖ダキを降りたら、次は乳房岩に寄り道。
ここも素晴らしい景色です。
岩のくぼみでドーン!
ハイテンションが止まりません(笑)
森の中を進むと下湧塚分岐。
5連ハシゴも難なくクリア。
8:50 下湧塚到着。 モコモコっとした岩が特徴的。
見よ、このスケール感!(どや!)
たまらんです。
さらに岩尾根上を歩いていきます。
後ろから団体さんが迫ってましたが、絶景にイチイチ足が止まる・・・(笑)
後方に聳える中湧塚(なかわくづか)をバックに一枚。
この日は一体、何枚集合写真を撮ったでしょうか・・・
9:13 ロープを伝い、中湧塚まで登ってきました。
だいぶまったりしたので追いつかれ、とうとう満員に。。
けど、米子出身のおじさんもおられて親近感わいたり♪
そして中湧塚から見る湧塚コースのラスボスは、上湧塚(かみわくづか)。 こいつも実に手強そうだ。
ここから一旦岩尾根を降りていきます。 緊張のトラバース。
しかしあまり苦にしていない様子のみっしゃん。 淡々とクリアしていきます。
「思案橋」も無事通過し、登り返します。
10:15 上湧塚到着。
岩峰を回り込み、ピークに立つと出会えたのはこの絶景。
上湧塚からしか見ることのできない七日廻り岩。
岩の上にも緑は育つ。 不思議でしょ?
またまた集合! みんな上機嫌!!
さて、はしゃぎすぎて激しくお腹が空きました。 ここでお昼にしよう!
生き返るひとときです~。 プロの持ってきたトマトは超うまかった!
11:01 りんどうの丘分岐。
さて、ここではひとつの重要な決断をしなければなりません。
大崩山頂へ行くのか、行かないのか…。
意見はみんな一致していました。 山頂はパス!
残念な気持ちが無いといえば嘘になりますが、
このペースで山頂へ行ってると、下山が遅くなる可能性もありました。(山頂往復は1時間以上のロスになる)
したがって山頂は踏まず、ショートカット道へエスケープです。
いいのよいいのよ、また来るんだしね。
11:09 りんどうの丘。
こりゃすごい!! しかしこんなとこに座って大丈夫なのだろうか…
それを撮影するミキティ。 押したくなるのが人情ってもんです。
さて、ここらが折り返し地点、いよいよ「下山」と言えるでしょうか。
落ちたら終わりな場所多数。 集中して行こう!
下山路の坊主尾根に入り、ドンドン下っていきます。
疲れもでてきますが、あちこちに咲くアケボノツツジに癒されます。
11:53 小積ダキに寄り道。
眼下には象岩。 なんとなく象みたいに見えません?
その直下を渡ってる人が見えます。
これが、この後挑戦することになる大崩最大の恐怖ポイント、象岩トラバース地点。
ここで落ちたら命はないな…。
とりあえず象さんダンスしときましょう♪
…だれだガチョウって言ったヤツ!
小積ダキからの展望も雄大でした。
奥に見えてる山は傾山(かたむきやま)。 あの山にもいつか登ってみたいものです。
12:20 前述の象岩トラバース手前にやってきました。
一息入れて集中します。
ふざけるのはやめましょう。
ひとりずつ慎重に通過し、無事全員成功。
念のためスリング&カラビナも用意してましたが、みんな思ったほどの恐怖感なく通過できたようです。
さあ、あとはガンガン下ろうぜ!
情報通り、激しく下り続ける坊主尾根。
次々と現れるハシゴにハシゴ。
ハシゴ+ロープの難所。 ここは象岩よりおっかなかった気がする・・・(^_^;)
ずっと先頭で緊張を強いられたためか、精神的疲労でペースの落ちるぼん。
それを見たプロが先頭代わってくれました。 これはありがたかった。
ペースは上がりますが、先頭でロボット化してるよりはずいぶん楽に感じました。
岩のトンネル。 どこ歩いてても面白い!
人間ブリッジ。
などと遊びつつ…
時に現れる絶景を楽しみつつ。
13:36 坊主岩。
袖ダキからは小さく見えてた岩も、近づくと超巨大!! これはとても登れそうにないので、
もみもみします。 ってコラ、ミキティ~~~
14:06 林道分岐。 増水時のエスケープ地点です。
ここまで下るとハシゴ・ロープもひと段落。
樹林帯を下って行くと・・・
14:41 ついに河原に出ました!
こんなことする人は一瞬ロトさんかと思いましたが(笑)
一緒に来てたら絶対「おれもやる!」 って頭突っ込んでるよねー
って、皆で笑ってました。
いやーしかし最高に気持ちいいですわ!
15:04 大崩山荘で、テントとデポしておいた荷物を回収。
再びずっしりとウェイトを得る身体…(苦笑)
あとはおちらと、往路を戻り…
15:55 下・山・完・了!!!
おめでとう!
すごく厳しかったけど、なんと充実していたことか。
全員ケガもなく、無事下りてくることができました。 山の神様に、心より感謝です。
ハイ、下山後のお約束~。
・・・で結局、俺にゃあ最大の難所はココだったかも(笑)
・
今回のルートおさらい。
青線が実際の行動ルート、黄線が予定していた山頂へのルートです。
※上記は概略ルートであり、正確なものではありません。
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・
温泉で汗と疲れを洗い流した後はモチロン・・・
楽しい夜が始まるのだ!
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◆参加者◆
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みーこ
みっしゃん
きよちゃん
miki-T
プロ
ぼん
・
大崩山、また絶対来よう! みなさんにも自信を持ってオススメします。
ただし挑むのなら、それなりの準備と覚悟を持ってください。 初心者、単独、危険です。
良き想い出は、簡潔には語り尽くせず。 長文失礼いたしました(^_^:)
2013 年 5 月 23 日
開始3秒で不安MAX!
でも、マジでいい山でした
登山前後の諸々のアクシデントも、私にとっては笑え…いえ、楽しい思い出です
Oh~そうだった!
あと2ヶ月大人しくしなければ・・・(笑)
充実の山行でしたねー☆
でしたでした☆
皆さまのご協力のおかげですー(ノω`*)
そう言えば、開聞岳登ってる時に小積ダキですれ違ったファミリーに遭遇しました
小学校中学年ぐらいの髪の毛さらさらの女の子とお父さんとお母さんの3人で登ってたんだけど…
あんな年齢からバリバリ登ってるとは羨ましい限りです
でも、小さいころに登った山って
実際ほとんど記憶に残ってないんですよね~。。
いずれは全部登り直したいと思いますわ。