2016.7.17-18 アルプスビギナーズクラス 木曽駒ヶ岳②
前回①の続き>>
雨に打たれながら、なんとか無事にベースキャンプである頂上山荘に辿り着いたまめ登山部御一行!!
山荘の窓から、強風に煽られ斜めに降る雨を見ながら、皆何を思っていたのだろうか?
11:00@頂上山荘(雨)
やることもないので昼食を始めたり、昨日運転で寝れてない人は部屋で仮眠をとったりする。
ちなみに自分の昼食はコンビニの鶏そぼろ丼とインスタント豚汁でした。
昼食が終わると、ストーブの周辺のベンチに座り、濡れた靴下や服を乾かす。
本棚に学生のころ読んでいた漫画”ゴリラーマン”があった。
読んで見るが、全く集中できず、すぐに投げ出す。
12:00@頂上山荘(雨)
水滴がついて白く曇った窓から外を確認するが、あいかわらず、小雨が斜めに窓を打ちつけ、視界は2m程だ…
部屋に戻ってみると、他の人たちもやることがないみたいで、お洒落な牛柄のタイツを履いたチョイワルオヤジとマダムさんがビールとワインで宴会をもう始めていた。
ルーシーさんはその横で死体のように眠っている。
こういうこともあろうかと自分は100円ショップで購入したトランプを持ってきていた。
周辺の5-6人でとりあえずババ抜きを始める。
罰ゲームは、一番勝ちの人が叩く役で、次に勝った順に下から手をおいていく、あれだ!
子供時代を思い出した。
その後も七並べをやったりした。
結果はマダムさんがほぼ勝利を独占した。
トランプに飽きてきた後はグダグダと話をして、時間を潰す。
14:00@頂上山荘(雨)
休憩室でボケっとしていると、雨具をつけ、びしょ濡れのノーディーくんが現れた。
話を聞くと雨が小降りなうちにテントをフライングで張り始めたらしい。
それを聞いたルーシーさんもどうやら張り始めたみたいだ。
風見鶏派の黒ひげ氏と自分で相談する。
夕方雨が上がってから、テント張るか今小雨のうちに張るか。
夕方からだと他の人に良い場所をとられる可能性があるので、黒ひげ氏も張り始めるのこと。
天気予報を確認すると、さっきは15時には雨が上がるとのことだったが、18時から雨が上がると変更になっている。
皆にとり残されるのもイヤなので、自分も渋々雨具をつけ、黒ひげ氏に続きテントを張り始める。
雨が降っている中、セッティングして行くのだが、このテントを張るのは2回目で、要領をイマイチ把握できてない。
黒ひげ氏とか周りのテントを観察し、見よう見まねで進めていく。
そうこうしているうちに雨が本降りに戻り、ビショビショになる…
とりあえず、グランドシートを地面もよく確認せず、手早く引いて、四角に岩を置いて固定する。
半泣きになりながら、フレームをテントに挿入する。
次にフライシートを取りだそうとすると、フレームを入れたテントが強風に飛ばされ、転がっていく…
慌ててテントを回収し、近くに転がっている岩に適当にテント本体の紐を結んでいく。
不安定ながら、風にテント本体を飛ばされないようにして、フライシートを取り出し、テント本体に被せていく。
フライシートもなんとかテント本体に取り付け、格好だけはなんとかテントが張れた!
黒ひげ氏が近くで張り終わったいたので、自分のテントをチェックしてもらう。
やはり、細かい部分が間違っていて、手伝ってもらって修正する。
なんとか形になったので、小屋に戻ることにする。
しかし、小屋にいる間に、風でテントが飛ばされてしまわないか、心の中にどんよりした不安がチラチラと出現する…
でも、もう後戻りできないので、受付でテントの場所代900円を払い、ついでにアサヒスーパードライ350ml 山価格¥600-を買う。
休憩室&食堂に行って、そこにいる人達に交じり、ビールを飲みながら雑談をする。
自分 “暇だなぁ、なんかやることないかな?”
黒ひげ氏 ”4本ビンタゲーム!!!”
…
希少なアルプス経験者であるリーダーからまさかの発言!
この男どんな思考回路をしてんだ!
天気のせいで、念願のトレッキングも出来ず失望し、
雨に打たれながら張った不安定なテントに対しての心労、
あまりの暇さに、
心が壊れちまったのか!?
リアクションに困り、
“ハハハハ…”と乾いた笑いでその場をごまかす。
そうこうしていると、山荘の人から
“16:00から、食堂は夕食の準備に入るので一旦撤収して下さい。”
と食堂&休憩室から追い出される。
一度、部屋に戻りテントに移るための荷造りを開始する。
携帯を予備バッテリーで充電していたのだが、少ししか充電できてない。
予備バッテリー自体が寿命みたいだ…
うーん、明日の連絡用にこれ以上は携帯のバッテリーは無駄に消耗できなくなった。
ここから今晩のことを想像し、憂鬱さ加減が増してくる。
夜、風に煽られるテントで独り、携帯も使えず、寝ることもできず、暗闇の中、まんじりと朝を迎えなければならない自分を想像すると発狂しそうになる…
不安に支配されながら、なんとか荷造りを終えて、雨具を再度着て、登山靴を履いて、テントが風で飛ばされてないことを祈りながら、雨の中、テントに向かう。
16:00@テント(雨)
風に煽られてはいるが、なんとかテントは持ちこたえている。
少しホッとしながら、中に入ってみると隅が少しだけ浸水していた。
しかし、まぁ、なんとか寝る体制は整えることができそうだ。
やることもないので、エアマットを膨らませ敷いて、寝袋をだし、寝る準備を整える。
濡れた雨具の上下を干すため、狭いテントの天井に無理やり洗濯紐を張り巡らせる。
不格好ながら、なんとか雨具を干す。
(よく考えたら、雨具は小屋に干しとけば良かったのだ…)
さて、もうやることがなくなった…
18:00から食堂が使えるみたいなので、そこからテント組は食堂で夕食をとることになっている。
それまで、寝ることにする。
いざ、エアマットの上で寝袋に入り寝てみると、テントの下にゴツゴツした岩があるらしく、背中にゴツゴツと当たる…
今から、グランドシートまで剥いで、雨の中最初からテントを張り直すのは非常に面倒なので、このまま妥協して寝ることにする。
しかし、寝返りを打つたびに、背中を岩が刺激する…
それでも、昨日からの疲れのためか、なんとか眠りに落ちることができた。
18:00@頂上山荘(曇)
18:00前にトイレに行きたくなり、テントの中で目覚める。
雨は予報通り、上がっているみたいだ。
食事とバーナーを準備し、濡れた靴下を再度履くのも嫌なので、裸足に登山靴を装着し、小屋へ。
トイレで用を済ませ、食堂に向かう。
既に小屋泊組(2食付き)は、夕食を済ませていた。
↓これが山荘提供の夕食だったらしい。
テント泊組がすでにビールを飲みながら、メシの用意を始めていた。
自分も缶ビールを買って飲むかどうか迷う。
トイレのために、登山靴を履いたり、脱いだりして、テントから小屋まで往復するのを想像して、億劫になり、飲まないことにした。
バーナーを取り出し、お湯を沸かし、山食用の五目御飯にお湯を注ぐ。
15分待つ。
その間他の人のメシを観察する。
ルーシーさんは山食用の白米にレトルトカレーみたいだ。
しかし、乾燥剤を取り出さずに白米にお湯を注いだらしく、それに気づき慌てて、取り出していた。
まめ三大料理人らしくない失態である。
しかし、できあがったカレーライスをみるとめちゃくちゃ美味そうだった。
ノーディーくんが一番豪勢な夕食を準備していた。
フランスパン。
ソーセージにきのこのソテー。
なんかのカップスープ。
まだ他にもなんかあったはず。
缶ビールと缶チューハイ。
あのくそ重いザックの中身はこれだったのか…
おいしそうな料理に囲まれ、帰りのザックが軽くなると非常に幸せそうな顔をしている。
ソーセージを1本ご馳走になった。
黒ひげ氏
こ洒落た固形燃料をつかったコンロで、パスタを茹でていた。
レトルトのペペロンチーノ?を取り出し、茹であがったパスタにぶちまけていた。
しかし、モンベルで1,000円も出して買った折り畳み箸が、うまく組み立てることができず、悲しい顔をしていた。
近くにいたチョイワルオヤジに渡し、組み立ててもらおうとするが、理系のアウディさんでも無理だった。
たぶん不良品をつかまされたんだと結論づけた。
他は乾きもののおつまみとかを持ってきていた。
サラミを分けてもらった。
15分経ったので、五目御飯の袋を開けて、食べ始める。
決して美味しいものではなかった。
なんとか食べれるレベルなのでボチボチ、口に運び、栄養とカロリーを吸収する。
愉快で楽しいディナーの時間も終わり、後片付けをする。
もうやることがなくなった。
今晩来るであろうテントでの孤独感と退屈が再度頭をよぎり憂鬱になってくる…
食堂は20:00には閉まるらしいので、翌朝05:00の集合まで、どうやって過ごすのか?
やることがないので、指だしゲームで負けた人が何をするか提案することに。
結果、黒ひげ氏の負け。
そして、提案したのが、
黒ひげ氏 ”4本ビンタゲーム…”
…
この男、四十路に突入しているのに、こんな幼稚な発言が面白いとでも思っているのか?
狂気には狂気で対抗しようと思い、
自分 “上等だ!やれるものならやってみろ!”
・・・
今度は、黒ひげ氏が乾いた笑いでごまかした。
場を取りつくろうために、
黒ひげ氏“他にやることもないから、トランプにしましょう。”
自分はテントまで戻り、トランプを持って、再び食堂へ。
またババ抜きを行う。
罰ゲームも、すべらない話をするとか誰かに質問できるとか、グダグダで曖昧ではっきりしないまま、ただ時間を潰すためだけにトランプを行う。
こうやってダラダラ過ごしていると20:00になるのであった…
自分としては、部屋で少し皆と雑談してから、時間を潰して、テントでの滞在時間を少しでも減らしたかった。
しかし、部屋をのぞいてみると、びっしり布団が敷き詰められている。
部外者が立ち入れる隙を微塵も感じなかったので、渋々テントに撤収することに。
まめ登山部では肩身の狭い希少種の喫煙者ミミックさんと外でたばこを吸いながら、
“命の危険を感じたら、部屋に戻ってくるから、その際は、よろしくね…”
と言い残し、テントへ向かう…
20:00@テント(曇)
テントに戻ってみると、結構中が湿気ている。
雨具や濡れたザックのせいだろう。
でも、もう心の準備は出来ていたので、あまり気にせず、寝袋に入り寝ることにする。
テント下のごつごつした岩を背中で感じながら、なんと寝ようと試みる。
“このまま目を閉じて、次に目を開けたとき、朝の4時だったらいいのに…“
と思いながら、目を閉じる。
…
目が覚めて、時計を見ると23:20だった。
“あれ?以外と寝れるもんだな…”
と少し嬉しくなり、起きててもやることもないので、再度眠るために目を閉じる。
…
再び、目が覚めて、時計を見ると01:13だった。
このパターンをあと2,3回繰り返すことが出来きた。
次回、最終回③は、
”爽やかなトレッキング@中央アルプス&登山後番外編(おうちに帰るまでが遠足です。)”
です。
では、またお会いしましょう!
以上
2016 年 8 月 3 日