ツアー&イベント レポート


王とカメラマンの私財探し 大出日山の巻

隊長の自由帳

ある日、平和を取り戻した佐田の国のサダ王から連絡が入った。

「おお! カメラマン。わしがサダ王じゃよ。また私財探しを手伝ってくれんかのう。」

「ご無沙汰しておりますサダ王様。で、今度はどこを探すのですか?」

「今度の行き先は大出日山じゃよ。私財を2人で運ぶのは大変じゃから今回は家来を連れて行くぞ。」

「それはいいアイデアですね。早速参りましょう!」

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待ち合わせ場所を指示されたカメラマン。待っていると家来を引き連れたサダ王が現れた。

「朝早くからご苦労であるなカメラマン。今日来てもらったのはほかでもない。実は私財の有りかが判明したのじゃ。」

「・・・はい。存じております。」 最初に聞いているのに。

「話が早いのう。では参ろうかのう。みなのもの、出発準備じゃ。」

馬車から家来の者が数人現れ、旅の支度が始まった。

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「王様。雨でございますね。」

家来の1人がこう言った。

「うむ。では王家秘伝のおまじないでもしておくかのう。」

「分かりました。では始めましょう。」

そう言うとサダ王と家来は声を合わせて叫びだした。

「雨よ止め~!!」

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なんてストレートなおまじないなんだ・・。これで止んだらたいしたものだ。

 

よーし出発だ゛!!

先頭はもちろんサダ王。そして家来が続き、最後尾はカメラマン

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サダ王は威勢よく歩みを進めた。

やはり雨は止みそうも無い。

「ハイヤ! ハイヤ!」

上機嫌に舗装道路を進むと、分岐点に到着した。

「前回は左に進んで道を間違えたのじゃ。だから分岐は右に行かねばならんはずじゃ。」

「王様。お言葉ですが前回と今回はまったく別物。その理屈は通用しませんぞ。」

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「何を申すか!  ここは右に決まっておろうが!」

「ここは左に行くべきです。」

サダ王と家来はもめているようだ。

「あ、道標。やはり左ですね王様。」

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家来に軍配が上がったようだ。悔しさをにじませるサダ王。

「・・最初から知っておったわ。お前を試しただけじゃわい。では進むぞ。先頭は譲らんからの。」

サダ王は若干ペースを上げ先に進んでいった。

道標には大出日山とは書いてないのが気になるが・・。

 

やがて天狗山登山口と書いてある道標が現れた。

「王様。これは大出日山へ続く道ではないようです。」

どうやらサダ王は目的の山へのルートを根本的に間違えていたようだ。

しかし大勢の家来の手前いまさら間違えたとは言えないぞ。

「いやいやここの山にも私財があるはずじゃ。わしの勘に狂いは無いわい。」

そういうとどんどん天狗山に入っていった。

「お待ちください王様~。」

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家来たちも後に続く。

「ほんとにここにあるのかしら・・。」

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しばらく山道を歩いていくと家来の一人が毒蜘蛛に刺されてしまった。

「痛いっ・・。」

「大丈夫か!!」

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「王様。私にかまわず先にお進みください。王様の家来で幸せでした・・。」

「何を言っているのじゃ。こんなところで死んではならんぞ。さぁさぁこれを飲んで毒を出すのじゃ!!」

そういうとサダ王はザックからサダコーラを取り出し家来に飲ませた。

ゴクコグゴク・・。ゲーップ。

毒は見事に体外へ放出された。家来は助かったのだ。

「ありがとうございます王様。もう回復しました。これで歩けそうです。」

「おお、よかったな。死にかけたときにはサダコーラが一番じゃ。では先に進もう。」

さすがは家来思いのサダ王だ。

様子を見ていたほかの家来たちは口々にこう言った。

「ステキ・・。」

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家来のハートをわしづかみである。

 

やがて天狗山山頂に到着した。

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「よーし、早速私財探し開始だ。手分けをして探すのじゃ!」

サダ王の号令により捜索を開始する家来たち。

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「こらぁお前達! みんなで同じところを探すんじゃない! 手分けをして探すのじゃ!!」

「ははーっ。」

しかしどうしても同じところを見てしまうよう家来たち・・。

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「も、もうよいわ。ここには何もないようじゃな。」

最初から間違えて来たのだから無くて当たり前だ。

「ではここから大出日山に向かうぞ。」

と言ってサダ王が指差すルートにはオバケザサが辺り一面に広がっていた。

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「王様。この魔物の群れを抜けるのは危険ですぞ。おやめになられたほうがよいのではないでしょうか?」

「ばかもーん!! これぐらいで怯んでどうするのじゃ! みなのもの進むぞ!」

しかし家来たちは魔物の群れに恐れおののいている。

「・・そうか。では無理は言わん。わしとカメラマンとで行くとしよう。お前達は待っておれ。」

「えっ!?」カメラマンにはシード権があるようだ・・。逃げ道はない。

「では行こうカメラマン。」

「・・分かりました参りましょう。」

サダ王とカメラマンが進もうとすると、家来の一人がこう言った。

「お待ちください王様。私も参ります。そのために大きな白馬で来たのですから。」

そしてほかの家来も続いて手を上げた。

「私も行きます。先ほどのサダコーラ・・美味しゅうございました。」

「私も行きます。今日も剣を腰に挿しておりますゆえ。」

「私も行きます。去年はゴジラを倒しました。」

「私も行きます。ヤブガールの技をお見せいたします。」

「私は雨女でございます。」

「み、みなのもの・・(感動の涙)。わしは幸せ者じゃ・・。よーし出発だー!! ではわしは一番後ろから参るぞ。」

 

抽選によりカメラマンを先頭に魔物の群れへ突入していく。

こう見えても勇者とともに経験値を地味に上げてきているカメラマン。こんなザコ魔物たちなど敵ではない。

バッサバッサと敵を蹴散らし前進していく。

家来のみなさんも果敢について来ている。

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「王様~! 大丈夫ですか?」

「わしは大丈夫じゃ。どんどん進んでくれ!」

 

長い戦いの末、ようやく大出日山山頂に到着した。

次々に到着する家来たち。

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「みんな無事にたどり着けたな・・ご苦労であった。早速じゃがここに私財があるはずじゃ。ちゃんと手分けして捜してくれ。」

「ははーっ。」

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家来達はこんどはちゃんと手分けして捜し始めた。

 

「わしはサダコーラを飲みながら吉報を待つとしよう。」

と言うと、サダ王は正しい姿勢でサダコーラを飲みだした。

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「王様! 何かあります!」

家来が何か見つけたようだ。

「どれどれ。」

サダ王が駆け寄り確かめる。

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「残念ながらこれは我が城のものではないぞ。この山の登山ノート入れじゃ。おしいのう・・その調子で捜してくれ。」

「ははーっ。」

続きを飲むサダ王。

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「王様! 見つけました!!」

家来がまた何か見つけたようだ。

「どれどれ。」

サダ王が駆け寄り確かめる。

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「残念ながらこれは我が城のものではないぞ。この山からの眺望と書いてあるじゃろうが・・。よく考えて捜してくれ。」

「ははーっ。」

続きを飲むサダ王。

なかなか量が減らないサダコーラ。サダ王の喉はお子ちゃまのようだ。

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「王様! ここに何かあります!!」

家来がまた何か見つけたようだ。

「どれどれ。」

サダ王が駆け寄り確かめる。

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「・・・。」

「ははーっ。」

「・・わざとじゃあるまいな。」

 

「王様! 雨女が雨を降らせ始めました!!」

「なにをしとるんじゃもうよいわ!! どうやらここには無いようじゃ。残念じゃが帰るとしよう。」

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雨女の意味の分からない行動により今回の捜索は打ち切りとなってしまった。

一体何しに来たんだろうか・・。

雨女ってなんなんだろうか・・。

そそくさと下山を開始すると突然目の前に捜していたものが現れた。

 

「おお!! これぞまさしく王家のトイレ!! こんな所にあったのか!!!」

サダ王は小躍りして駆け寄り、

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熱い抱擁。

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サダ王の勘に狂いは無い。やはり今回も無駄足ではなかったのだ。

「やりましたね王様! これで城のトイレ渋滞も緩和されそうですね。」

家来達は大喜びだ。

「これでトイレが2つじゃ。みんなにはいままで大変不自由な思いをさせてきたが、これで長い列を作らずに済むぞぅ。

よーし。では城に持ち帰るぞ! みなのもの運ぶのじゃ!!」

「ははーっ。」

 

「うんしょ♪うんしょ♪」

と、にこやかにトイレを運ぶ家来達。まるで一足早いクリスマスプレゼントが届いたようだ。

「今夜はパーティーじゃ~!!」

02

 

こうして2つ目の私財を取り戻したサダ王。

たまたまトイレの発見が続いているが、いずれほかの私財も見つかることだろう。

サダ王は決してトイレコレクターでは無いはずだ。

 

~サダ王とカメラマンの私財探しの旅は続く~

“王とカメラマンの私財探し 大出日山の巻” への1件のコメント

  1. 剣の家来 その① より:

    サダ王様のお力になることができて大変うれしゅうございますです(#^.^#)

    みんなで楽しくトイレを運んでいるとき、一瞬目を合わせすばやく去っていったあのタ・ターミヤ!いったい何が言いたかったのでしょうか?

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