[こまめ塾] 鯛ノ巣山~吉田毛無山 現場検証登山 2013.3.31
「なっ・・・なんだ、このダイイングメッセージのような文章は・・・!?」
そう・・・ すべては2年半ほど前にさかのぼる。
まだまだ青かった、我々まめ登山部の歴史に深く刻まれるあの事件・・・。
その事件の舞台は島根県奥出雲町、鯛ノ巣山(たいのすやま・1026m)。
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近年入部した人のために、まずはこの2つの記事を見ておいていただきたい。
↓クリッククリック
コメント欄でも議論が交わされたあの出来事。
一歩間違えばビバークを余儀なくされていた、道間違いによる下山遅れ。
再発防止のためにも、これはきっちりと現場検証しておかなければなるまい・・・。
とか言いつつ、、、 時は流れて2年半。
「じゃあ、いつやるんだ・・・?」 「今でしょ」
そういうわけで、人知れず設置された「こまめ捜査本部」。
この件の担当に任命されたのは・・・
K視庁まめ曲警察署 こまめ課捜査第一係 ぼん刑事
(すいません・・・)
当時、現場にいた2名の重要参考人「しょくにん」「みーこ」を呼びよせて、検証開始である!
↓ 音量注意!
[audio:http://www.mame-vin.jp/wp-content/uploads/2013/04/53d617697f406765fae5e75d0e3d24bc.mp3|titles=あの刑事ドラマ]
我らがこまめ課長「かに」を筆頭に、
3名の経験豊かな捜査官「グレイ」「たて」「マダム」も現場に加わって、
8:06 捜査登山スタート。
ちなみにかの名刑事「ヤマさん」は、残念ながら本日非番である。。。(体調不良のため)
いきなりの急坂。 気分は上々だが、確実に足に乳酸が溜まっていく。
20kgのザックを背負い、気合い十分のたて捜査官。 大丈夫か・・・?
苔むした巨岩。 美しい森だ。
当時の様子を聞きこみながら、ゆっくりと登っていく。
8:57 こうもり岩前の倒れそうなベンチで集中捜査だ。
当時の登山スタート時間は午前10時頃だったようだ。
鯛ノ巣山に登るだけなら十分といえるが、登山では何が起こるか分からない。
早発ち・早い下山は登山の基本。 これから考えていかなければならないだろう。
稜線に出ると、また美しい若ブナ林が広がっている。
9:33 トラウマだったこの山頂を、ふたたび踏むことができた。
幸せを得て、成長した彼の心には余裕があった。
しかし他ならぬ、この地に深い後悔の念が残っているのも確かなのである。
ここで下山方向を間違えたことで、
仲間たちに長い距離を歩かせることになってしまったのだから・・・。
ではあの時、どうすればあの事態を防ぐことができたのか・・・?
教科書を手に、真剣に考えるみーこ。 もう「連れてってもらう」という意識ではダメだ。
自分自身で、道を切り開く術を身につけたい。。
2人のただならぬやる気を感じとったぼん刑事。
よし、みんなでとことん検証してみようじゃないか。
まず、ここで道間違いを起こしてしまった原因から考えてみよう。
証言を聞くと、当時の状況がだんだん見えてくる・・・。
・他の団体さんの向かった方向を下山道と思い込んでしまった。
・教科書には、毛無山に向かう縦走路の存在が記されていなかった。
・下山前に、地図とコンパスでの方向確認をしなかった。
・登山前の下調べが足りなかった。
あのときの道迷いは、
これらの要因がいくつか重なって、起こったことだと言えるのではないだろうか。
検証するうち、地図読みの勉強会が始まった。
磁北線の引き方、整置の方法、目的地の方角のセット、地図記号や等高線の見方、空気の読み方・・・などなど
持ってきたプレートコンパスの説明書には、
「コンパスを北にセットして、顔を上げれば熊とご対面~」
・・・勉強になった。
予定していた時間を大幅にオーバーして、盛り上がる一同。
この時点で、当初予定していた大万木山までの縦走は厳しくなったが、
それ以上に、意味のある時間にしたい。
全員が、そう思っていたことだろう。
次なるピークにコンパスをセットし、歩き出す。
標高の高い山の北斜面には、まだ根雪が残っているようだ。
セットしたコンパスをこまめに確認し、地図上の現在地を把握しながら進む。
適当な場所で昼食をとる。
カツ丼食うか? いや、山ではやっぱりラーメンが美味いのだ。
2年半前はこの尾根に間違って進んでしまったわけだが、
異変に気付くチャンスはあった。
当時も、下っているはずなのにやけに登りが多いな・・・と思っていた。
それでも、道はここだけだった「はず」・・・と、そのまま進んでしまった。
だが、やはりどうもおかしい。
「・・・明らかに違うのでは?」 緊急会議が開かれたそうだ。
そして、疑念が確信に変わったのがこの場所である。
「うおーん、あの時はすいませんでしたー!」 崩れ落ちる優しき男。
すかさずゲラゲラと笑いながら慰める(?)みーこであった。
~考察~
鯛ノ巣頂上から1時間以上進んだ地点。 アップダウンのある道を進んできた。
アッキーナは引き返すことを提案。
ここから引き返して往路を下山したとしても、16時頃には下山できる時間的計算が成り立つ状況だった。
しかし体力的にも精神的にも、鯛ノ巣山に引き返すには皆、余裕の無い状態。
そして話し合いの結果、ここでは引き返さず、先に進む決断をしている。
持参の地図は鯛ノ巣周辺のみ。この先の登山道の状況はわからない。 なばさんのGPSだけが頼りだったという。
当時のこの判断は正しかったのか?
良かった点、悪かった点、みなさんもあらためて、考えてみていただきたい。
ここからのしょくにん、意識が違っていた。
もう繰り返すわけにはいかないんだ・・・! スマホのGPSをこまめに見ながら進んでいく。
そのひたむきな姿に感心するかに課長。 (だけどやっぱり傾いてるなぁ~・・・)
地図とコンパスの使い方もしっかり覚えたいところだが、
まずは自分がどのあたりに居るのか? と意識するクセをつけるだけでも違ってくることだろう。
13:03 毛無山(吉田毛無山)山頂に到着した。
感慨深げな2人。
今日は迷いこんだワケではない。
ちゃんと目指して、着いた山頂なのだから。
しばし休息したら、あとは下山するのみ。
この先は、広い登山道が続いていた。
20kgを背負って歩き続けるたて捜査官にも、さすがに疲労の色が見えている。
靴ずれも起こしているようで、なかなかツラいところだ。
一方、百戦錬磨のグレイ&マダム捜査官。
パリコレのような撮影会が始まった。 まだまだ余裕がある。
13:37 毛無展望広場は濃いガスに覆われていた。
コンパスによる山座同定の方法は、また晴れた日に勉強するとしよう。
残雪を踏み踏み、
蕗の薹を取り取り、
13:51 目的地、新生坊展望台の駐車場にたどり着いた。
深々と頭を下げる2人。 いやいや、こちらこそ勉強になりました。
捜査のご協力に、深く感謝致します!
~エンディング~
↓音量注意。
[audio:http://www.mame-vin.jp/wp-content/uploads/2013/04/7794af913644f9983cb0a5b014f4b302.mp3|titles=解決編]
「もうしんどいわ・・・」 力なく崩れおちる、たて捜査官。。
「あたしも・・・もうダメよ」 傍らに横たわるセクシーなおねいさん。。。
こうして・・・ 6時間にも及ぶ、 こまめ課による現場検証登山は終了した。
心のモヤモヤは晴れ、心地よい疲れだけが残りました。
iPhoneによるルートログ。
当時は、ここからさらに杉戸のバス停まで車道を数km歩いている。 長かったことだろう・・・
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~参加者~
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しょくにん
みーこ
たて
かにちゃん
グレイ
マダム
ぼん
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失敗も、後に生かせばいい経験となる。 登山に限ったことではなく。
豆塾ほどの厳しさはないが、大切な何かを学べる場所にしたい。
・
「こまめ塾」 はじめました。
・
この塾は、たぶん毎回2割くらいフィクションです。(笑)
2013 年 4 月 7 日
疑念が確信に変わった場所・・・みーこが慰めてるんじゃなくて無理矢理土下座させてるように見えるんですけど?
気のせいです(笑)
↑↑↑
あ、僕もプロとまったく同じように思ってました。
あの腰の入り具合からして、「おまぇ謝れボケェ!!」って。。。
さすがまめ塾は厳しいなと打ち震えていたところでした。
みーこさんすみません土下座しますm(_ _)m
あれから成長したのかなぁ(^_^;
こんな事があったとはこの前知りました、他人事ではないですね
現在地をこまめに確認、進行方向もこまめに確認大切だね
仲間に(自分もだけど)遭難、怪我などつらい思いはして欲しくないです、心にいつまでも残ります
次回こまめ塾は座学で基本的な知識を学びあうのはどうでしょう?
知識のある人、経験のある人は協力をお願いします
あれから実地だけでしたが、
そろそろ座学したいですね、グレイさん、塾長。
地図読みはすごく勉強になりました。
あらためて現場検証と過去を踏まえた記事掲載
してくれたおかげで啓発につながる。
犠牲者は報われるかも…。
こんな体験があったなんて知りませんでした。最近、娘と二人で軽い山を登っていますが、それも地図なしで(;一_一)・・反省させられます。気をつけなきゃ。勉強になる記事をありがとうございます!!刑事課があるなんて初めて知った( ..)φメモメモ。
座学したい☆
・他の団体さんの向かった方向を下山道と思い込んでしまった。
↑
これなんだけど…
もしこの三次からの団体さんが自分たちとは別の登山道を登ってきたとしても、駐車場は同じ(一カ所)
話によれば、登りに3時間かかったと言うことだから、自分たちよりも先に駐車場に着いて登り始めてるはず
20人の団体だったら車は5台前後、もしくはチャーターしたマイクロバスが駐車場にあったはずだけど、多分無かったよね
ここであれ?と思っていたら団体さんが登ってきた登山口が全然別だったことに気づけたかもしれないなぁ…と思いました
それに、いくら年配の団体とは言え、3時間かかったというのもおかしいと思うポイントだと思います
鯛の巣のトイレで見かけたノート…職人の文字の瀕死さに吹いたのを思い出した…
簡単な山でも現在地を把握する癖をつけると感覚が冴える
方位云々も必要だけど、地図から地形を読み取る事が更に重要だと思う…等高線は頭の中で3D化…地形から現在割り出し、先の地形を推測して答え合わせの日々…確実にに野生化してますよ俺は…笑
コンパスも常に携帯してるけど再確認用具だと思ってる
懐かしい話だ…あれから二歳老けた訳だな…名探偵プロ…笑
ケンケン、次のこまめ塾(座学)ではレクチャーお願いします!
座学は苦手です…頭より体で覚える系統なので
( ̄▽ ̄;)人様に教えられる立場ではない…
アルコール付き座学なら…(笑)
野生化した頭の中が興味深々
オまめ会のときを楽しみにしときます(^^)
皆様コメントありがとうございます。
自分もまだまだ経験が足りません。山に行くたび、失敗するたび、痛感します。
しかしながら、こうして仲間同士で少しでも知識を共有できたことは
山と向き合っていく上で、たいへん有意義な時間だと感じました。
まめ登山部ももう7年目、メンバーもずいぶんと増えてきました。
全体として、もう1段階成長するべき時に来てるんじゃないかと、最近思うのです。
経験豊かな先輩方に学び、ひとりひとりがレベルアップし、得たものを後輩に伝えていく。
「自己責任」が前提ではありますが、よりリスクの少ないグループ山行を楽しむために。
座学も含め、今後こういった「学べる場」をもっともっと設けていき、
みんなと一緒に成長していけたらいいなぁ、と思いました。
ドンドンやりましょう、こまめ塾!
熟達者様のご協力も、どうかよろしくお願いいたします。