サダクエストⅥ 鳥屋ヶ丸の脅威
魔王によってヘビに姿を変えられたサダ王の呪いを解くには佐田の国の7つの山の三角スイッチをすべて押さなければならない。
サダ王を救い魔王を倒すため、勇者ロトとカメラマンの旅はつづく。
5つ目のターゲットは鳥屋ヶ丸(トヤガマル 686.1m)だ。
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7つの山の地図で山の位置を確認すると、この山は雲南の国との国境に位置している。
そして山頂へ続くルートは雲南の国から伸びていることが判明した。
なのでまずは国境を越え、雲南の国に入らなければならないのだ。
国境の警備は厳重だったが、勇者の顔パスでカメラマンも入国することができた。1パスで4人まで有効らしい。持つべきものはアイテムだ。
そして鳥屋ヶ丸の麓の村に到着した。
この村の一番奥には村長の家があった。ここに馬車を止めさせていただく。
サダ王は村長にあいさつしに行くと言う。
「村長はおるかい。」
サダ王が玄関先でインターフォンに向かってしゃべると、
「はぁ~い。ただいま~。」
と軽い乗りで村長が返事を返し、玄関先に出てきてくれた。
「どちら様~?」
「おお村長。わしがサダ王じゃよ。」
「な~に!? ヘビがサダ王様を名乗ってる~。さっきのリフォーム屋のヘビと違うようだわねぇ。やだ~どういうことなの~!?」
「ん?何じゃと?」
「ちょっとお~。も~何なの~!?」
・・・何なんだこの村長は。勇者とカメラマンは凍りついた。
オネエ村長はサダ王が国のために自らを犠牲にした事を知らないようだ。
これは時間がかかりそうだ。サダ王にはここでゆっくり村長と語り合っていてもらおう。
オネエ村長の家にサダ王を残し、ここから歩くことにする。
よーし出発だ゛!!
先頭はもちろん勇者ロト。後ろに続くはカメラマン。
まずは林道を歩いていく。
作業道には何やら重いものを運んだ跡が残っていた。
「一体何が運ばれたんだろう?」
勇者は盾を構えて身構えながら歩いていく。
すると突然ヘビが現れた。
「ステキな盾ですね。」
「そうだとも。私は勇者ロト。お前は誰だ?」
「私はヘビです。」
そりゃそうだ。しかし勇者はそんなことを聞いているのでは無い。
「お前は何者かと聞いているのだ!!」
「私はただのヘビですが・・ただ話しかけただけですが・・いけませんか? ではさようなら。」
と言うとヘビは茂みの中に姿を消した。
どうやら本当にただのヘビのようだ。
話しかけてくる者はみんな冒険の関係者だと思い込んでいる勇者の悪い癖が出てしまったのだ。
これはかなり恥ずかしい・・。勇者の顔は真っ赤になっている。
カメラマンは出来るだけ勇者の顔を見ないようにしてあげることしか出来なかった。
進んでいくとまたもやヘビが現れた。
「勇者様ですね。」
「そうだ。私は勇者ロト。どうせお前はヘビだろう。」
「私はヘビではありません。」
なんだそりゃ・・。すっかり勇者は混乱してしまった。
「お前は何者だ!?」
「私です。タ・ターミヤですよ勇者様。」
「なんと! 本当なのかタ・ターミヤ!! どうしてお前がヘビになってこんな所に!?」
「私はご存知の通り商人。セールスで佐田の国に訪れていたのです。
いろいろなお宅にデジタルチューナーやリフォームを進めてきたのですが、大日山の豪邸に訪問したとき、こんな姿にされてしまったのです。
うかつでした。・・そこは魔王の屋敷だったのです。慌てて逃げてきました。そしてやっとこの山までやって来れたのです。」
「なるほど。やはり派手なスパッツをはいた男とはお前だったか。しかしなんて運の悪いヤツなんだ。魔王の屋敷にセールスに行くとは・・。」
タ・ターミヤのありあまる商魂が招いてしまった悲劇と言う訳だ。気の毒なタ・ターミヤ。
しかし勇者は冷静だ。魔王に会ったのならば何か情報を持っているはずだ。
「魔王はどんなヤツだっのだ?」
「魔王には会っていないので分かりません。なにしろ玄関先のインターフォンでしゃべった途端にヘビにされてしまったのですから。」
「では何で魔王の屋敷だと分かったのだ?」
「周りにいた巨人がそう言ってましたから・・。」
やはり巨人は魔王の手下だったのか。
「ほかに気付いたことはなかったか?」
「そういえば、大きなダンボールが玄関先に何個か積んでありました。引越しでもするのかな・・。あとは記憶にありません。」
「引越しの可能性があるというのか!?」
「よく分かりません。では私はまだ仕事がありますので。」
と言うとタ・ターミヤはそのまま茂みの中へ姿を消してしまった。
ヘビになっても仕事を続けているとは! 商人の中の商人だ。いや商蛇だ。
「ありがとうタ・ターミヤ。道に迷うなよ~。」
勇者はタ・ターミヤにエールを送り、先に進んでいった。
歩いていくとやがて視界が開けてきた。
今までの山には無かった光景だ。
「随分と景色がいいな。」
佐田の国が良く見渡せるステキな場所だ。
さらに進むと山頂が見えてきた。
山頂に近づいくにつれ、歩きやすかった作業道はなくなり、いつもの山道になっていく。
この道の周りにはいくつかのお花咲いていた。
「これは綺麗だ。」
常に戦いの連続である勇者にとって、お花はとても心を和ませてくれる存在なのだ。
さらに進むと視界が開けた。前方の斜面には恐ろしい兵器が等間隔で並べられている。
「こ、これはミサイルツリー!! 作業道に残っていた跡はこれを運んでいた跡だったのか!!
こんなにたくさんのミサイルを配備して主要な町村を狙う計画とは・・そうはさせないぞ魔王!!」
これほどの数のミサイルツリーが育てば佐田の国だけでなく近隣の国にも十分な脅威を与えられるだろう。
幸いな事に斜面一帯に配備されたミサイルツリーはまだミサイルとして使用可能な段階にまでは育っていない。
何としても今のうちに破壊しなければならないぞ。
しかし勇者にはおのれのこぶししか武器は無い。
これだけのミサイルツリーを破壊するの到底無理だ。
「とりあえず後回しにして先に進もう。」
ミサイルツリーの脇を通り上へ登っていく。
ここの上部から尾根伝いに山頂へ行けそうだ。
ウッソウの中を進んでいく。ここのウッソウ達もおとなしい。アナログ電波のおかげだ。
そして山頂に到着した。
三角スイッチを探すとすぐに見つかった。
良く見るとスイッチの横に何やら棒が刺さっている。
「これはもしや!」
そう。これがカダが魔王との戦いで使用したというカダの剣だ。
不規則にうねったこのウェーブがどんな物でも一刀両断にするという。
鍛冶屋の手を借りずに作られたという珍剣中の珍剣なのだ。
「やっと剣を手に入れたぞ!!」
これでアダの盾、カダの剣が揃ったわけだ。しかしこうなるとサダ王だけサダの棒ってなんなんだろう・・。
そして三角スイッチオン!
“さーだー” という天使の声と共にスイッチが入った。
これでこの山はクリアだ。
しかしまだミサイルツリーを破壊しなければならない。
「ミサイルツリーを一掃してやる!」
勇者は剣を振りかざしバッサバッサとミサイルツリーを破壊していった。
すべてを破壊した勇者。
とりあえずこれで脅威は無くなった。しかしまたどこかでミサイルツリーの配備が始まるかも分からない。
一刻も早く魔王を倒さなければ平和が訪れることは無いのだ。
急いで下山しよう。
サダ王と村長の会談がそろそろ終わっているかもしれないぞ。
5つ目の「鳥屋ヶ丸」の三角スイッチを押すことに見事成功した勇者。
魔王が引越しの準備をしているのが事実ならば急がなければならないぞ。
次のターゲットは魔王の住む「大日山」。
いよいよ決戦のときが来た。
・
[勇者]
レベル42
<防具>
Tシャツ 防御力 8
長ズボン 防御力 5
かわのくつ 防御力 2
勇者の帽子 防御力 5
ウエストバック 防御力 5
アダの盾 防御力 50
<武器>
おのれのこぶし 攻撃力 22
カダの剣 攻撃力 50
<道具>
7つの山の地図
iPhone
顔パス
水筒
[カメラマン]
レベル11
<防具>
Tシャツ 防御力 6
ぬののズボン 防御力 3
かわのくつ 防御力 2
あせふきタオル 防御力 1
<武器>
でじたるかめら 攻撃力 1
<道具>
ハンディGPS
黒い馬車
<三角スイッチ>
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次回
サダクエストⅦ 大日山の魔王 へ
つづく
2011 年 8 月 18 日